日本三不動の一 ロゴ 瀧谷不動尊

六趣輪廻を救護わんと

六趣輪廻を救護わんと

 いのちの世界を仏教では六つに分け、それを六趣、六道と呼びます。地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道です。この六つに共通するのは苦しみに満ちているということ。

 私たち人間もこの世で苦しんでいます。科学技術が発展しても、社会不安は一向に解消しません。我が国における年間自死者は若干減少しつつも三万人に及ばんとしています。いつの時代もこの世の不確実さに私たちは翻弄されています。

 しかし、そうした思うようにならない世の中で生き抜くのが私たちの立場です。と同時にこの世のほかに私たちが今を生きる場はありません。そうした苦しみの世界にあるすべてのいのちあるものを、お不動さまは決して見捨てないとお説きになります。大慈悲の極みです。

 時は、節分の頃です。この世の中としっかり向き合う生きる力を一人一人が湧かせましょう

-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者  柳下 純悠 師

一覧へ戻る