日本三不動の一 ロゴ 瀧谷不動尊

お大師さまの五月のおことば「はぐくむ」

お大師さまの五月のおことば「はぐくむ」

 すべてをつつみこむ天空、すべてをはぐくむ大地。これこそが如来の大慈悲心の発露でありましょう。それに比べて、私達の弱々しい迷いの心のささいな分別を思います。私達は一人一人、まことに微弱な生き物にすぎません。そのうえに、かつ孤独をかこつ代物でもあります。三・一一以来、人間という仲間の重要さがさけばれてきました。“絆”という字を見て下さい。私達は半分の糸しか持ちあわせていない存在なのです。半分の糸では用をたしません。もう一つの半分の糸と結び合わせること、それが“絆”ということではないでしょうか。そして、その絆ということを再確認して、積極的に他との関係を結ぶということが何よりも大切なことのように考えられます。私達は自然のめぐみを一身に受けて、共に天空のごとく、大地のごとき広大な慈悲を受けて生きるということを早く自覚し、如来を仲間とし、他の多くの人びとと共に生きなければなりません。

 これ天といい、地というは性仏の至体、内といい、外というは妄心の別執なり。

(大空のごとく、大地のごときものは、如来の究極のあり方であり。内といい,外という相対的なとらわれは、迷心の別々な執着をうみだすものである。)
(『拾遺雑集』)

-当山御宝暦の法話から転載- 執筆者 福田 亮成 師

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