日本三不動の一 ロゴ 瀧谷不動尊

五月 五智ごち

五月 五智

 数ある仏さまの智慧(ちえ)の中でも、大日如来(だいにちにょらい)の究極の五つの智慧を「五智」といいます。


それは、固定観念を持つことなく外界を直に感じ取る「成所作智(じょうそさち)」。私という主観に縛られること無くものごとを見る「妙観察智(みょうかんざっち)」。すべての差別を知ったうえですべてを等しく見る「平等性智(びょうどうしょうち)」。磨(みが)かれた鏡が曇りなく万物を映し出すように、世界をありのままに知る「大円鏡智(だいえんきょうち)」。こうした四つの智慧を備え、それ自体が究極的な智慧であり、大日如来そのものである「法界体性智(ほっかいたいしょうち)」の五つです。


 私たちの感覚器官である五感、思考器官である意識、さらには心の奥底にある仏さまの心。これらを整え、清らかにすることで、大日如来と同じ究極の智を身につけ、人々を苦しみから救うことが、真言行者の最終の目標です。

-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者:東京都港区 真言宗智山派 宝生院住職 小山龍雅 師

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