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重陽の節句

重陽の節句

 重陽(ちょうよう)の節句(せっく)とは、人日(じんじつ)の節句(七草粥)上巳(じょうし)の節句(桃の節句)端午の節句七夕の節句と並ぶ江戸時代に定められた五節句の一つです。古来より奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考えその奇数が重なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。中でも一番大きい陽数、即ち九が重なる九月九日を、陽が重なると書いて重陽(ちょうよう)の節句(せっく)と定め不老長寿や繁栄を願う命を尊ぶ行事を行ってきました。重陽の節句は菊の節句とも言います。菊は、古来より薬草としても用いられ寿命を延ばすと考えられてきました。この節句には菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わす菊酒などで長寿を願いました。桃の節句や端午の節句を始め他の節句が華やかに行われる中、命を尊ぶ節句が余り行われなくなったのには、一抹の寂しさを感じます。私達の命は、ご先祖から頂いた命ですから健康で長生きをして天寿を全うしたいものです。

執筆者
埼玉県加須市不動岡
真言宗智山派
不動ヶ岡不動尊 總願寺住職 山口眞司師

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