十二月八日は、成道会です。成道会とはお釈迦様がお悟りを開いた日を記念して行われる法要です。お釈迦様は、今から約二千五百年前インドで釋迦国の王子としてお生まれになりました。二十九歳で王子としての地位や家族を捨て出家します。約六年苦行をおこないますが、苦行の無意味を知って苦行を中止されました。そして、スジャータという娘の捧げた乳粥を飲み体力を回復されたお釈迦様は、ガヤ村のピッパラ樹の下で瞑想を重ね十二月八日お悟りを開かれ仏陀となられました。三十五歳の時でした。お釈迦様は、物事は関わり合い、重なりあいながら移り変わって行くが、その総ては縁（因縁）から生ずるとおっしゃっています。つまり、昨年があるから今年があり今年があるから来年があるのです。時の流れは直線ではなく、めぐっています。今年の「縁」を大切にして良いお年をお迎え下さい。

執筆者
埼玉県加須市不動岡
真言宗智山派
不動ヶ岡不動尊 總願寺住職 山口眞司師