日本三不動の一 ロゴ 瀧谷不動尊

五月 智慧の炎

五月 智慧の炎

 今年もまた瀧谷不動尊では、春季大祭・柴燈大護摩供を修する時節を迎えました。この柴燈護摩は、不動明王を本尊として天下泰平・国家安穏を願い、併せて皆様のお願い事を祈念して修するものです。どうぞ五月二十八日の大祭にはお揃いでご参拝ください。

 さて皆様は「お不動さま」というと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。『不動経』に「身青黒色にして大忿怒形なり 大磐石の上に半跏座したまえり 火生三昧に住して頂きに七莎髻あり 左に一の辮髪を垂れ額に水波の皺あり 右の手に利剣をとり左の手に羂索を持し 遍身に火焔をいだし」と説かれる、そのお姿を思い浮かべるでしょうか。しかし、「不動」という名前がは、その姿・形だけを言うのではありません。

 密教の経典の中には、この「不動」のことを、堅固なる「菩提心」を表すと説かれています。そしてこの菩提心を以って護摩を修するなら、護摩の火即ちお不動さまの智慧の炎によって、私達の心に生じてくる貪・瞋・痴等の降伏し難い煩悩をすべて焼き尽くしてくれるのであると言われています。

 本堂でご住職の修する不動護摩供に参列し、一心にお不動さまのご真言「ノウマクサマンダバザラダン センダマカロシャダ ソワタヤ ウンタラタカンマン」とお唱えしてみてはいかがでしょうか。

 そうすると護摩の炎がお不動さまの姿に見えてくるかもしれません。

執筆者 高麗行真
略歴:東京都西東京市泉町
真言宗智山派 如意輪寺住職
真言宗智山派 教学部長

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