ずっと昔から、日本人の多くはお仏壇に向かって手を合わせ祈ってきました。
あなたのお父さんお母さん、おじいさんおばあさんも、朝にお仏壇に向かいお茶やご飯をお供えし、夕方にまた拝む。
そんな毎日をくり返してきました。
お仏壇を拝むのは暮らしのひとコマ、お家の中心にお仏壇がありました。
ご両親や祖父母は、お仏壇に向かって何をしていたのでしょう?
何を祈っていたのでしょう?
それはみんな同じです。
朝には「今日も一日無事でありますように」、一日の終わりには「今日も一日無事でありがとう。」と祈りました。
祈る心と感謝の念。
それが日本人の精神のいちばん深いところにあって、心を養ってきました。
無事を祈り、無事に感謝する。自分の無事ばかりではなく、自分を支えてくれるいのちすべてに感謝する。
一人では何もできない、至らない自分を知っているから、祈り感謝するのです。
いのちのつながりを意識する行いが、祈る心と感謝の念を抱き、お仏壇の前で心を養われるのです。
-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者 片野 真省 師