仏さまに祈る。
それは単に、自分に願いが叶うように祈ることにとどまりません。
仏さまに祈る、それは自分だけではどうにもならない、思いどおりにならないから祈る。
自分の力では叶わないから、力が至らない自分を分かっているから、仏さまに祈るのです。

自分のことのみならず、自分の周り、家族、友人、自分を支えてくれる存在すべての無事を祈る。
自分のことだけでなく、生きとし生けるものすべて、もっと広く有縁無縁の精霊、
魂にあまねく功徳が行き渡るように祈る。
それが仏さまに祈るということ、それが普回向の精神、仏さまの慈悲の心となるのです。

仏さまに祈れば、その大いなる願いは、いつかきっと叶います。
あなたを救い、その功徳が遍く（あまね） 一切に及ぶのが仏さまの加持力（かじりき） なのです。
仏教は迷える人々をすくい取るさまざまな実践活動を備えています。
お寺の行事にご参加になれば、あなたの心はきっと癒やされ、安らかになってゆくのです。

－当山御宝暦の法話から転載－
執筆者　片野　真省 師