平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災で多くの方々が犠牲となりました。
突然の旅立ちとなった方々には、それぞれ夢や希望、幸せな時間があったはずです。
私たちは誕生日を知っていても、旅立つ日は知る由もありません。
だからこそその瞬間まで努力を重ね、善行を積むことができるともいえます。
代々のご先祖さまもまた、同じ思いで生活し、
私たちに願いを託してきたのではないでしょうか。
お彼岸は、私たちがいる迷いの世界に対して、悟りの世界、
お仏さまの浄土世界のことを言います。
ご先祖さまや有縁の方々の成仏を願い、お寺やお墓にお参りするとともに、
自らの成仏を願いたいものです。
三月二十一日は、日本文化の発展と私たちに心の在り方を指し示して下さった真言宗の
宗祖弘法大師さまがご入定された日にあたります。
偉業をしのぶ御影供法要にご出席いただき、自らの日々の生活を送る上での、
心の糧を得る機会にしていただきたいものです。
-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者 佐藤 雅晴 師