陽光が明るく感じられる季節となり、里山にも数多くの花が咲き揃い、
心なしか、小鳥のさえずりも明るく華やいで聞こえてきます。

四月八日は、お釈迦さまの誕生日です。
花で飾られた、生まれたばかりの誕生仏がお堂の中央に安置され、右手で天を、左手で大地を示しています。
私たちは、そのお姿に甘茶をかけて、お祝いをいたします。

お釈迦さまが生まれた時、七歩あゆまれて「天上天下唯我独尊」と言ったとされています。
これは、私たちに、この迷いの世界に二度と生まれることなく、強い意志と主体性を持って、
人生を歩むことの大切さを示して下さった言葉と言われております。

私たちは、等しく祝福されて生まれてきました。
この命は、遠い過去から、何千人、何万人という人々の思いを乗せて伝えられ、現代に至りました。
私たちは、この壮大な歴史の営みに気付き、お不動さまのゆるぎない強い力とご加護をいただきながら
「ありがとう」「おかげさまで」と言える感謝の気持ちを持って、生活して行きたいものです。

－当山御宝暦の法話から転載－
執筆者　佐藤　雅晴 師