お彼岸は、平安時代に日本で始められた行事とされ、太陽が真西に沈むお中日を中心とした七日間を言い、春と秋と二回あります。
亡き人が、真西にあるとされる極楽浄土に無事に到着して欲しいと願い、お墓参りやお寺参りを行う行事です。
彼岸は「パーラミター」というインドの言葉に漢字をあて、到彼岸と訳しました。迷いや苦しみがあふれる「此岸」から、悟りの世界である「彼岸」に渡ることを意味しています。
彼岸はおほとけさまの世界に向かうことですが、そのためには「六波羅蜜」という、六つの良い行いを実践する必要があります。すなわち、布施、持戒、忍辱、精神、禅定、智慧の実践です。
私たちは、自然の営みや恵み、両親や友達など、多くの支えの中で生活しております。そして、ご先祖さまからの命をいただき、今の私たちがあります。
将来を強く豊かに生きるためにも、そのことに気づき、ご先祖さまへの感謝の気持ちを持つことが大切です。
その感謝の気持ちを形として表す方法がご供養です。
-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者 佐藤 雅晴 師