除夜とは、大晦日の夜を言います。
この夜は、各寺院では、百八つの鐘を撞きます。百七は旧年中に、残り一つは新年に入って撞くのが習わしです。これは「一年の過ちを打ち砕き、新たな気持 ちで一歩を踏み出す」という願いでそのようにします。私たちには、一むさぼり(貪)、二いかり(瞋)、三おろかさ(痴)、四おごり(慢)、五うたがい (疑)、六よこしまな考え(悪見)の六つの大煩悩があり、それぞれが六つに細分化され、さらに過去、現在、未来へとまたがるので、百八となります。
今年も、あっという間に、一年が終ると思っている人も多いはずです。
「忙」という文字は「心が亡びる」と分解することが出来ます。
せっかくの一年の節目の日ですので、立ち止まって、後ろをふり返ってみてはいかがでしょうか。
人は昨日に戻ることも、年齢を若くすることもできませんが、智慧を積み重ねることはできます。
どうぞ、万物への報恩感謝の心を持ち、ゆとりを持って、新しい年を迎えて下さい。
-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者 佐藤 雅晴 師