暗夜を出でて明るい人生の道を歩むことこそが、
私たちの為すべきことであり、誰もがその可能性を備えているのです。
しかし人間は時に悪事を働くこと があり、その行いに際限はありません。
世情を騒がすニュースはこうした人間の愚かさを映し出しますが、
それは決して人間の本質ではない、と仏教は考えます。
人間のすばらしさは、善いことが際限なく行えるということです。
すなわち「より善く生きる」ことができること。
この力が強ければ強いほど、悪事をなす力を弱め、
無明の旅から脱することができるのです。
お不動さまはそのことをよくご存じで、そうした大いなる力を「不動力」と呼び、
すべてのものにはその不動力が自ずと具わっていると喝破されています。
なんとも心強い限りです。
時は春、咲き誇る桜を愛で、自分の力に目覚めましょう。
-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者 柳下 純悠 師