「より善く生きる」ことは、
今日を生きる七十億もの人々にとって共通の、
そして最上の価値観であることは明白です。
この世の誰一人として不幸せや苦しみを願ってはいません。
しかしながら私たちに無明という魔の手がいろんな形を伴って誘惑してきます。
「魔がさした」といって後悔しますが、悪事に手を染める時には
その魔に全然気づかないのです。凡夫の凡夫たるところです。
されどお不動さまは、不動力のゆえにお持ちの知恵は何ものにも動じません。
ましてや魔など近づくことさえ叶いません。
そのゆるぎないお悟りは「大盤石」と譬えられます。
不安な時も、有頂天になりがちな時も、お不動さまを想いましょう。
さすれば私たちの心に魔はさしません。
今月二十八日は春の大祭です。ゆるぎない信心を深めましょう。
ー当山御宝暦の法話から転載ー
執筆者 柳下 純悠 師