お不動さまの両脇にお立ちになるのは、今迦羅(こんがら)童子と制吒迦(せいたか)童子です。若々しさと凛々しさをその表情に湛えて常にお不動さまの脇をかためます。滝谷山のご本尊御三体は重要文化財指定の尊像ですが、御開帳の折りにはこの二童子にもご注目ください。この童子たちは、お不動さまのおそばにいて、常に私たち凡夫の様子を見極めているとのこと。それが「善悪二業(ぜんなくにごう)を観察(みそなわ)す」という一節です。あなたたちの行いは何もかも、ちゃんと見ているぞとにらみを効かせているわけです。だから心して生活しなさい、悪いことはやめて、善いことをせよ、と監督役は二十四時間体制で私たちを見守ります。今年もすでに後半です。あらためて日頃の生き方を観察し、省みましょう。
-当山御宝暦の法話から転載-
執筆者 柳下 純悠 師