人が世の中に生きていく過程で思いがけない不幸がやってくる場合があります。一見、まったく幸福そうな人であっても、内面に大きな苦しみをかかえている場合があります。まったくの幸福の中に一生を終えることができた人などは奇跡にちかいのです。私達がどんな不幸にとらわれたとしても、沈没してしまうわけにはいきません。そして目前の不幸を切り返していかなければなりません。その切り返していくには、何か拠りどころとなるものが必要です。私達は少しずつでも不幸を変えていく方向にしっかりとした人生の舵を取っていかなければなりません。そうしなければ、その不幸はますます肥大化していってしまいます。それには、心の中に不動なものが必要です。仏さまはご誓願をかかげて永遠に私達を救ってやまない存在です。その仏さまを心の依りどころとすることが大切でしょう。
衆生、仏に帰せざれば、魔鬼総て来り囲む
(人びとがが一心に佛に帰依することがなければ、悪魔がきて、その人の心をとり囲んでしまうでしょう)
-当山御宝暦の法話から転載- 執筆者 福田 亮成 師