皆さんは節分が年に四回ある事を御存じですか?立春、立夏、立秋、立冬の前日を節分と言います。ではなぜ、立春の前日の節分が日本では良く知られる「節分」になったのでしょうか。季節を大切にする日本人の伝統の中で、特に命の芽吹く春に良い事が廻って来るように、新しい春が訪れる立春の前日に総ての災厄を払った事に端を発しています。因みに、昔からの八十八夜や二百十日も立春から数えます。又、節分には豆を撒き邪気を払い福を招き入れますが、実は私達の心の奥に潜む鬼の心をも追い払う大切な一日です。私達の心には欲深い心「貪(とん)」怒りの心「瞋(じん)」暗愚であるが故道理が解らない心「(癡(ち)」即ち三根本煩悩が潜んでいます。そして、これらに心が支配されてしまうと心ばかりか、姿形までも鬼の姿になってしまいます。節分にお不動様にお参りし鬼の姿にならないよう心と体を清めて素晴しい春を迎えましょう。
執筆者
埼玉県加須市不動岡
真言宗智山派
不動ヶ岡不動尊 總願寺住職 山口眞司師