お彼岸と言うと誰でもすぐに思い起こす「暑さ寒さも彼岸まで」と言う言葉があります。お彼岸は春分の日、秋分の日をお彼岸の中日としその前後三日間を合わせた七日間をお彼岸と言います。世間では、時候のよい、暮らしやすい時がお彼岸だと考えて旅行などに出かける方もいるようですが、それでは物の本質から外れてしまいます。この期間はお寺参りをしたり、お墓参りをしてご先祖のご恩に感謝をして今ある自分がご先祖や多くの命のご縁の中で生かされている事を改めて考える期間なのです。目まぐるしい現代を生きる私達は、悔いのない人生を送る為、お彼岸こそ人生とは何か、如何に生きるべきかを落ち着いて考える期間にしたいものです。

執筆者
埼玉県加須市不動岡
真言宗智山派
不動ヶ岡不動尊 總願寺住職 山口眞司師