現代、お盆は七月と月遅れの八月に行われています。お盆とは「盂蘭盆」の略です。「盂蘭盆」の起源はお釈迦様の弟子の目連尊者が餓鬼道に堕ちてしまったお母さんを救う為に夏安吾(あげんご){雨安吾(うあんご)}の七月十五日に多くの僧侶に食べ物を施しその功徳で餓鬼道に堕ちたお母さんを始めとする総ての餓鬼を救ったと言う故事にならったものです。又、盆とは祖霊を意味する事から「お盆を迎える」とは「先祖を迎える」と言う意味にもなります。お盆には精霊棚を作ってご先祖をお迎え致します。そして、精霊棚には棚幡(たなばた)という幡(はた)を安置致します。実は、この棚幡(たなばた)をこしらえる時期が七日の夕方からだった為、何時しか棚幡(たなばた)が七夕(たなばた)に転じたとも言われています。お盆にお帰りになる懐かしいご先祖を、家族みんなでお迎えしたいものです。
執筆者
埼玉県加須市不動岡
真言宗智山派
不動ヶ岡不動尊 總願寺住職 山口眞司師