新年おめでとうございます。本年は戌歳。犬は安産の象徴です。いよいよ当山の歴史的な大事業、客殿等の建て替え工事が本格化いたします。工事の安泰と、お不動様のご威徳が一層広まりますようご祈念申し上げます。
「這へ笑へ二つになるぞけさからは」(一茶)
昔は年齢は数え年で表しました。お母さんのお腹にいるときから命を数え
産まれると一歳、そして正月が来て一つ年をとって二歳。以降は正月が来る
たびに年を重ねました。
物事には、この世に具体的な形となって表れるまでの期間、人知れず、ど
こかの胎内で温められてきた時があったはずです。その過程で、祈りが込め
られました。それは人にも、仕事にも、体験され得る総てに、言えることです。
今まで、何かの中で温められながら、お不動様に守られ、お不動様から祈ら
れながらの歳月に感謝しつつ、今年から始まる日々を大切に生きたいものです。
執筆者 寺田 信彦師
略歴:千葉県館山市沼
真言宗智山派 總持院住職
真言宗智山派 専修学院長