七月十八日は当山の「観世音夏まつり」。観音堂、聖観世音菩薩様の御縁日です。
観世音菩薩は一般に観音様と称せられ、その優しいお姿からしばしば女性の仏様と思われがちです。本来、菩薩様に性別はありません。
救いを求める世の人達の声(世音)をお聞きになり、三十三(=無限)にお姿を変え、大いなる仏の慈悲をもって、救済して下さる仏様です。
古くは聖徳太子ゆかりの夢殿の救世(ぐぜ)観音が有名です。平安時代には長谷寺、清水寺、石山寺をはじめ西国三十三観音霊場ができ、人々の信仰を集めました。
千一体の観音像で有名な蓮華王院は観音様由来の数に合わせ三十三間堂と称されております。
当山の観音堂や三十三所堂の主尊としてお祀りする聖観音様は、様々に姿を変えられる全ての観音様の、本初のお姿を示された観音様です。ご参拝の皆様に等しく観音様の巨益(こやく)あらんことをお祈りします。
執筆者 寺田 信彦師
略歴:千葉県館山市沼
真言宗智山派 總持院住職
真言宗智山派 専修学院長