お彼岸の頃に咲く花なのでこの名前が付いたようです。主に赤い花と白い花があります。「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)とも呼ばれ、その読みはサンスクリット語からきています。
日本では「捨子花」とか「幽霊花」とか、良くないイメージがありますが、仏教では如意花との名称もあり、良いイメージの花です。
天神が意のままにこの花を雨のように降らせ、この花を見る者はおのずから悪業を離れると言われています。
お彼岸には各地で法話などがよく行われますが、これを仏界からの法の花びらと心に浴びつつ、悪業から離れさせてくれるという彼岸花の鑑賞などはいかかでしょうか。
日常の喧噪(けんそう)を離れ、仏の世界に思いを致し、お彼岸らしい心静かなひと時をお過ごし下さい。
執筆者 寺田 信彦師
略歴:千葉県館山市沼
真言宗智山派 總持院住職
真言宗智山派 専修学院長