十二月二十八日は「納め不動尊」です。お不動様は背中に火炎を背負っています。この火炎は迦楼羅焔(かるらえん)といい、迦楼羅という伝説上の鳥が金の翅(はね)を広げた形をし、煩悩を焼き尽す智恵の火を意味しています。
また迦楼羅はその明利なる眼を持って虚空中より俯瞰(ふかん)し、諸龍(煩悩)を捕え、如来浄眼の加持力により、たちまちに煩悩を菩提心に変える力を持っています。
それは、まさに当山のお不動様の持つ心眼を開くお力の根源でもあります。
大晦日には除夜の鐘をついて一年の煩悩を消除します。
瀧谷不動明王寺、納めのお不動様に御祈願を込めましょう。煩悩を焼き尽して、新たな年を迎えましょう。
御縁を結べば、如来浄眼はきっと開かれます。
執筆者 寺田 信彦師
略歴:千葉県館山市沼
真言宗智山派 總持院住職
真言宗智山派 専修学院長