二月三日は節分です。節分と聞くと、子供の頃よく家族一緒に「鬼は外、福は内」と大きな声を張りあげて、豆撒きをした事が思い起こされます。
古来より日本では季節の変わり目に邪気が生じると言われており、その邪気(鬼)を追い払うために「豆撒き」の行事が各地で行われております。
その邪気(鬼)は、いつでもどこにでも隙さえあれば、私達の心の中に入り込もうと狙っています。そして、その邪気(鬼)にいつの間にか心を奪われてしまっているのに、全く気付くこともなく平気で生活をしているのが私達ではないでしょうか。
この邪気(鬼)は、仏教の教えに例えるならば、「無明の煩悩」と考えることができるでしょう。では、この邪気を振り払うためにはどうしたら良いのでしょうか。
まずは自分の日々の生活の中で実践できること、例えば十善(十の良い行い・不殺生、不偸盗、不邪婬、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見)の内の一つを実行することから始めてみてはいかがでしょうか。
お釈迦様の弟子の茗荷(みょうが)が、一生懸命に掃除に専念して、ついには悟りを開いたように。
執筆者 高麗行真
略歴:東京都西東京市泉町
真言宗智山派 如意輪寺住職
真言宗智山派 教学部長