日本三不動の一 ロゴ 瀧谷不動尊

七月 回向大菩提

七月 回向大菩提

 この時期、瀧谷不動尊では観世音夏祭りが行われます。この夏祭りでは、施餓鬼回向法要が勤修され、有縁無縁の一切精霊に回向すると共に、皆様方のご先祖様にも回向する法要です。

 「回向えこう」と言うと、大変むずかしく思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、仏教でこの言葉が使われた場合、回向とは、自分の行った善根の功徳を一切の衆生と自分の悟りのために振り向けて施すこと、と説かれています。

 これをもう少し発展的に解釈するならば、亡き人に読経したり修法したりすることも回向と言えるでしょう。この時に気を付けなければいけないことは、読経することは功徳があるからとその功徳に囚われ、その功徳に執着してしまうことではないでしょうか。

 自分の我執・我欲を離れて、仏の大悲を常に心掛けて誠意を持って回向すれば、その意は必ずご先祖様のもとに届くはずです。

 瀧谷不動尊のご本尊さまにお聞きになってはいかがでしょうか。きっと、「その通りです」とおっしゃって下さると思います。

執筆者 高麗行真
略歴:東京都西東京市泉町
真言宗智山派 如意輪寺住職
真言宗智山派 教学部長

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