日本三不動の一 ロゴ 瀧谷不動尊

3月 良い未来をつくる

3月 良い未来をつくる

先月の法話に、「いま、この瞬間(とき)を一生懸命に生きることが大切」というお話を書きました。

ご紹介した著書の中で、日野原重明氏は「きみがきみらしく、いきいきと過ごせば、その時間はまるできみにいのちをふきこまれたように生きてくるのです。」と教えてくださっています。また、逆に「いのちをふきこまれないかぎり、時間は、またその積み重ねである年齢は、死んでいるも同然だということです。」ともおっしゃっています。(『十歳のきみへ ―九十五歳のわたしから』2006年)

人としてこの世に生まれたからには、自分らしく生き生きと、その命を活かすために精一杯生きる。

これは「人は何のために生きるのか?」という問いに対する答えだと言っても良いでしょう。寿命という限られた時間を、「死んでいるも同然」の過ごし方をするのは本当にもったいないことです。

具体的に「自分がどう生きていくべきか?」ということは、100人いれば100通りの生き方があるので自分で見つけるしかありません。自分の個性が活かされる生き方を見つければ良いと思います。「私が生きるべき道は何か?」という疑問を常に心の片隅に(中心ではありません)置いておくことで、いつかその答えが見つかる日が来るでしょう。

自分が今まで生きてきた中で「人様の役に立ったな」、「私はこれが得意で社会の役に立つことができるな」ということから始めてみてはいかがでしょうか?

以前にもご説明しましたが、「自業自得」や「因果応報」という言葉は、善くも悪くも「自業自得」であり、善くも悪くも「因果応報」ということです。善い行いも悪い行いも、めぐりめぐって自分に返ってきます。原因と結果の関係は目に見えないことが多いですが、隣人や社会の役に立つことを心がけていれば、きっとその後の生活に良い結果をもたらすことになるでしょう。

お不動さまに祈りをささげ、その大きな慈悲の力に護られながら人生を自分らしく生き生きと過ごすことができれば、さらに良い方向へ導いていただけることと思います。 良い未来は、いまの自分自身の行動によってつくられていくのです。

執筆者 千葉県南房総市
真言宗智山派 勝蔵寺住職 田口秀明

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